じょんしゅう日記

映画や本の感想が中心

らららクラシック「スティーヴ・ライヒ」

録画していたEテレ『らららクラシック』のスティーヴ・ライヒ回を観た。

錚々たる人物たちがライヒについて語っていて面白かった。トクマルシューゴの「エレクトリックカウンターポイント」の演奏もかっこよかった。

僕は10代の終わり頃(2000年代半ば)に音楽の授業で「カムアウト」を聴いて衝撃を受け、以来ライヒばかり聴いていたことがあった。

初期作品から聴き始め、新しい作品へと向かっていったのだが、僕はライヒ作品から聞こえてくる、話し声が持つ音楽的な響きやメロディなどに興味があった。伝達の道具としてではなく、響きとして、音楽として、楽器として話し声を使っている、と当時の僕はえらく感動したのだった。

でも「スリーテイルズ」で関心を失った。「スリーテイルズ」では、言葉がメッセージ性に従属しているように思えた。話し言葉の物質的な響きが後ろに退き、伝達の道具としての側面が前面に出てきてしまったような気がしたのだった(ディファレント・トレインズはバランスがうまく取れていたように思った)。しかもそのメッセージもあまり面白みがないなと感じた。なんとなくショックで、それ以降に作られた作品は大して聴かずじまい。やがて初期作品も聴かなくなってしまった。

ということでちゃんと耳にしたのは久々だったが、やはりライヒ作品の音と反復には快感を覚えると改めて感じた。最近の作品も少し聴いてみようかなあと思った。あとライヒだけじゃなくて、ライリーとかヤングとかもたまには取り上げてほしいなあと思ったり。